金沢区の海岸ちかくにある駐車場の縁で、アカバナルリハコベを見つけました。出会いたい、見たいと思っていた花なので大喜び。梅雨の晴れ間をねらって臨時の観察会をしました。
名前から想像するとおり背丈の低い草です。曇った日や、晴天でも夕方になると花はすぼんでしまいます。
コバルトブルーの花を咲かせる「ルリハコベ」という植物があり、花の色が橙色がかっている他は全く同じだから「アカバナ」をつけて「アカバナルリハコベ」と色の名前が二つ続いた名前がつきました。
神奈川県ではまだルリハコベは見つかっていません。アカバナルリハコベは横浜市内ではとても少ない花です。
名前から想像するとハコベの仲間のような気がしますが、これはサクラソウの仲間(詳しく言うとサクラソウ科ルリハコベ属)です。だから実の形は、ハコベの仲間とは全く違います。
右の写真は横に這うようになっていた茎を、ちょっと持ち上げて撮影したものです。対生する葉の付け根から伸びた細い茎は、下を向いてその先に円い実を付けています。
アップの写真は難しいので友人にお願いしました。風が強いので私たちが遊んでいる間も粘って粘って撮って下さいました。雄しべの根元にはえている毛がきれいです。長田先生の本によると、この細い毛は1列に並んだ細胞なのだそうです。(クリックすると大きな画像が見えます)
フランス革命を舞台にした「紅はこべ」という小説がありますが、紅はこべというのはこの花の仲間のことを言うそうです。久しぶりに読み返したくなりました。
この花のステキさは花のきれいさもさることながら、果実の形にあると思います。朝顔の実を小さくしたような形ですが、やや下の方にほっそりと横線が入っています。そこからポコリと蓋がはずれて種子をこぼすのです。(蓋果 がいか と言います)