アカザ(ヒユ科アカザ属)

植物に興味がなかった小学生の頃から知っていた名前が「シロザ」と「アカザ」でした。柔らかい葉の真ん中が白いのシロザ、昔のほうれん草の根元と同じ赤い色になっているのがアカザ。
子どもの頃はあちらこちらで見かけたのですが最近ではシロザばかり目につきアカザはあまり見かけなくなりました。やっと見つけても草刈りされてしまって花を付けるまで残らないもの多いようです。気にしてみていると赤でも白でもないピンクの粉をふいている物もありました。「モモザ」かと思ったらこれも「シロザ」だそうです。図鑑で調べると「両方ともアカザ科の植物で、アカザはシロザの変種で若い葉は赤い粉をふく」とあります。最近ではアカザとシロザを分けないのが主流だという話も聞きました。
アカザ
一度じっくり見てみようと若い苗がたくさん生えていた空き地から3本頂いてきて育ててみました。
7月1日には草丈5cmだったものが9月には150cmほどに伸びました。
9月下旬小さなつぼみが見えました。つぼみの色も葉についている赤い色と同じで実に鮮やかです。
10月12日には真中の写真のようにつぼみもだいぶ伸びてきました。茎の分かれ目の赤がかわいらしい。

頂芽 蕾 枝の分かれめ

花 花が咲き出したのは10月20日でした。つぼみの頃の赤い色はかなり薄くなっていますが、やはり赤みが残っています。葉の方はこの時期でも新しく伸びてきた葉の根元は赤くなっています。
それにしてもこの仲間は花粉が出ているから花が咲いているとやっと気が付くほどに地味な花です。それでもちゃぁーんと昆虫が訪れていました。
11月に入ると花が終わり実になり始めました。果柄が少し長くて固まりから飛び出しているものが所々にありました。シロザもそうだったかな? と近所を歩き回りましたがこのようにつきだしているシロザは見つけることが出来ませんでした。実の一つ一つはきれいな形をしています。(写真は右に行くほどアップになっています)

果実 果実 果実

昔は食用にしていたということで柔らかくて美味しいのでしょう。
株の下の方の葉は虫に食われてどんどん無くなっていきます。葉の赤い色ももう葉の縁取りの様に1mm以下の細い線がうっすらと見える程度になりました。
草丈も2m近くあります。しなだれているてっぺんの穂を伸ばして測れば2mを越えているでしょう。それにしても気のせいか「シロザ」よりのびのびとしている、穂が長くゆったりしている印象でした。
秋の姿

(2001年12月14日)

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