1つ1つの筒状花を見続けていると、雌性期に入って柱頭が水平以上に広がると、ごくまれに花柱が少し伸びることはありますが、雄しべの葯筒はもう伸びないことが分かります。 |
葯の筒の中にたまった花粉を、閉じた柱頭が押し上げ外に出します。 柱頭の外側には集粉毛と呼ばれる毛が生えていて花粉をつけやすくなっています。 花粉を出し切ってしまうと、柱頭が開きはじめます。 雌性期に入り柱頭は「Y」型に開き、さらに中央の状態に進みます。花冠すれすれのタイプは自分自身や、隣り合う花の花冠にぶつかってしまうので、この状態でとまります。 |
![]() 雄性期 |
![]() 雌性期 |
![]() 雌性期 |
キク科の筒状花では花糸にゆるみがあるものが多いのですが、雌性期というこの花にとって最後の時期にもこの程度のゆるみがあります。 |
![]() ![]() |
雌しべが長く伸びないタイプの花では、このように花糸のゆるみは異様に大きくなっています。 曲がりすぎて花筒の壁にぶつかり動きが取れないように見えます。おそらくそのために、長く伸び上がることが出来ないのでしょう。 花糸が曲がりすぎているため葯に栄養を送りにくいのか、このタイプの花は、花粉が高く突き出すタイプの花よりは少い傾向があります。 |
![]() ![]() |
長いタイプと短いタイプの割合を調べるため、全ての柱頭が平開している33頭花をほぐしてみました。筒状花は全部で1475個、1つの頭花に入っている筒状花の数は62−23個とばらつきがあり、特に冬が近づいてくるほど減少する傾向にありました。
(2003.11.23) |