ツキミマンテマ
Silene nocturna L.

ツキミマンテマナデシコ科マンテマ属の最近見つかった帰化植物で、2000年に名前が付いたばかりです。名前の通り花は日が暮れてから咲くそうです。

1999年6月8日に、茶色くなった実だけ残ったこの草を見つけたときは、ずいぶん貧弱なシロバナマンテマがあるものだと思いました。今年も(2003年5月)同じ場所に18株出ていました。
見つけたのは2車線ある国道と京浜急行の線路に挟まれた所です。車道、歩道、奥行き4mほどの、玉石と土を混ぜてつき固めた駐車場、線路と並んでいますが、その駐車場の隅です。カラスムギ、タチスズメノヒエ、イヌムギ等が線路側にあり、その少し手前のに生えていました。駐車場を利用する車のタイヤによって運ばれてきたものだと思います。

草丈は10ー40cm程度。根生葉は株により、まだ緑だったり枯れ始めたりしていました。
暗くなってから見に行ってみましたがまだ花にはお目にかかっていません。

蕾(?)の長さは0.8ー1.2cm。葉は上に行くほど細く短くなりますが、どの部分の葉も下部に白い毛が生えています。対生する葉は根元でくっつきあって鞘になってつながっています。


蕾 部の葉 下部の葉
蕾(?) 上部の葉 下部の葉(長さ2.5cm)
主根は硬くてしっかりしています。
果実はシロバナマンテマに似ています。
種子のスケールは1mmです。種子の撮影者は矢追義人さん。

主根 果実 種子

5月6日から花を求めて通っていましたが、花も、咲き終わったあとのしなびた花弁も見られないのに種子が熟して来ます。そこで1株持ち帰って観察を続けました。


閉鎖花閉鎖花

蕾を調べました。

左の2枚は同じものです。手前にピントを合わせたのが左の写真。種子にピントを合わせたのがその右の写真です。
種子が出来ていますがまだ真っ白です。

右側は2個目の蕾ですが、種子にうっすらと色がつき始めています。

閉鎖果

閉鎖花今度は、まだ小さい長さ4mmの閉鎖花の萼をそっとむしってみました。中には小さな花弁と雄しべがありました。子房は既に膨らんでいます。
写真では分かりませんが花弁の先は浅く2裂していました。


果実、子房、蕾など矢追義人さんに写真を撮っていただいたので、今年の様子をもう少し詳しく調べました。こちらの大きな画像をどうぞ。

平凡社の「日本の帰化植物」にはきれいな花の写真が掲載されています。
いつの日か私も花に出会いたいと思っています。

約1年後の2004年4月 やっと花に出会えました!



(2003.5.20)

帰化植物