つめくさ・ツメクサ・つめくさ

子どもの頃、原っぱでクローバーの花で首飾りや冠をあんで遊びました。ほんのりと良い香りがして何だかとても楽しかった・・・四つ葉のクローバーを見つけると、大切にノートに挟んで、なんだか「きっと良いことがある」とわくわくしてなかなか寝付かれなかった。そんな遠い思い出があります。
いつもあんまり気にもせずに眺めながら通り過ぎていたクローバーの仲間達。いくら踏んでも丈夫なので、とっても安心して花の中を歩けた・・・
そんな彼らにも、よく見ると少しずつ違いがあります。私が見つけたのはまだまだ、ほんのその一部。

 シロツメクサ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物
     

おなじみの、いわゆるクローバー。首飾りの材料になった花です。

 モモイロシロツメクサ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物
 

シロツメクサにそっくりで、花の色がピンクがかっているものを言います。気をつけてみるとあちらこちらに咲いていますが、シロツメクサに比べるとまだまだ数がずっと少ないようです。

 タチオランダゲンゲ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物

花には白いものから鮮やかに赤みをおびたものまでありますが、姿形は上の二つにそっくりです。違うところは、上の二つは茎が伸びると、節の所から根を出します。(だから、花は地面から立ち上がって咲いているように見えます)
タチオランダゲンゲは節から根を出さないので、立ち上がった茎の途中から花の茎が出ているように見えます。高速道路沿いに分布を広げているようです。

 アカツメクサ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物

別名 ムラサキツメクサ

赤紫色の花が咲きますが、色の濃いものから薄いものまで様々です。
私達がクローバーと呼んで親しんでいる物との一番大きな違いは、花に下に長い柄がないことです。だから葉の上にすぐ花がついているように見えます。首飾りを編むには少し工夫が必要です。

 セッカツメクサ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物

アカツメクサの白花種ですが、アカツメクサに比べるとやや数が少ないようです。


アカツメクサの少し変わった物を2000年春に見つけました。普通のアカツメクサは上に書いたように花の下に長い柄がない物が普通です(左の写真 寺島幸夫さん提供)。ところが花のすぐ下に長い柄がある物を見つけました(右の写真)。
花の下に緑の線が入った三角形状のもの(苞)がありますが、これから上に長い柄があるかどうかということです。皆さんのお近くにはどちらのタイプが多いでしょうか?


形がそっくりで黄色い花を咲かせる物があります。

 コメツブツメクサ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物

花が小さく背も低いけれど一面に咲いていると実に美しい花です。

 クスダマツメクサ(マメ科シャジクソウ属) 帰化植物

コメツブツメクサに較べて一回り花も草丈も大きく、咲き終わりの頃には旗弁(一番上の大きい花弁)にしわみたいな筋が目立ちます。

 大きさの比較

コメツブツメクサとクスダマツメクサが並んでいます。このくらいの違いです。

○○ツメクサという名前がついているマメ科の植物の共通点は、果実が花びらがそのまま枯れたような形でつくことです。その一つ一つをよく見るとちゃんと豆の莢になっていて、中に種子が入っています。
(2000年5月25日)

 

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