エライオソーム

>植物の種子のなかには蟻に運んでもらうために白い物質をつけているものがあります。この物質を elaiosome エライオソーム(本によってはエライオゾーム)と呼びます。
蟻にとっておいしい餌で、これほしさにせっせと種子を運び、巣の中でエライオソームだけを食べて種子のほうはポイッと捨てます。おかげで植物のほうは分布を広げることができます。
運んでもらうための蟻へのご褒美だから単純な形をしているのだと思っていましたが、実にきれいな形をしているので驚きました。早く見たくて種子が熟すまで待てないほどでした。
ジロボウエンゴサク
ジロボウエンゴサク
キケマン
キケマン
ムラサキケマン
ムラサキケマン

ケシ科でなくてもエライオソームはついて居ます。

ニリンソウ
ニリンソウ(キンポウゲ科)
スミレ
スミレ(スミレ科)
それにしてもどうして蟻はエライオソームだけでなく、種子も一緒に運ぶのでしょう? 
体力増強のために重いものも運んでいるのだろうか
誘惑に負けて巣まで運ばないうちに食べてしまいたくならないのだろうか・・・
いろいろ考えましたが分かりません。エライオソームだけにしたものと種子についたままのものを並べて数時間放置すると、エライオソームだけのほうが干からびてしまっていました。もしかしたら乾燥しすぎると栄養価が落ちるとか、まずくなるなどのかもしれません。私たちだってしなびたリンゴより、熟してみずみずしいリンゴの方が好きなように。
(2004.3.13)
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