閉鎖花(へいさか)

花というと花びらがあって雄しべや雌しべがあって、きれいな色で・・・というイメージがありますが、閉鎖花と呼ばれる花があります。文字通り開かない花です。つぼみの形のままでいつの間にか果実ができていて種子を作っている花です。 (それに対してイメージ通りの、咲く花を開放花とよびます。)

スミレの閉鎖花

閉鎖花をつけることで有名なのがスミレの仲間たちです。春をすぎると花も咲かないのに次々に果実がはじけます。
スミレの株を良く見るとうつむいた、細くとがった感じのつぼみ状のものがついています。それが閉鎖花です。
そっと中を覗いてみました。左はまだつぼみの状態の閉鎖花。右は咲いている閉鎖花です。雌しべが雄しべの花粉に首を突っ込んでいます。閉鎖花では虫に花粉を運んでもらわなくてもいいので、蜜は不要だから距はありません。きれいな花弁もいりません。節約が進んで(?)雄しべも2本だけになっています。

閉鎖花の蕾 咲いて居る閉鎖花

ツユクサの閉鎖花

きれいなブルーの花を咲かせるツユクサにも閉鎖花があります。こちらはちょっと見つけにくいですが、ツユクサが咲きそろう時間(8月だと4時半から5時ころ)より遅く、8時過ぎに探すと見つかります。詳しくはこちらをご覧ください。

(2004.6.31)
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