ヘクソカズラ(アカネ科ヤイトバナ属)

(別名 サオトメバナ、ヤイトバナ)

「ミクロの自然探検」(矢追義人著 文一総合出版)の中に「花の中の花園ーヘクソカズラ」を読みました。
ヘクソカズラについてそれまでも、夏にかわいらしい花を咲かせ秋になるとトパーズ色の果実をつけて素敵なのにいやな臭いがする。
匂いからこの名がついたわけですが、気の毒なので「サオトメバナ」、子供たちが花を逆さに手の甲にのせてお灸に見立てて遊んだことから「ヤイトバナ」などとも言う。ということは知って居ました。
ところが矢追さんはこの花の筒の中をアップの写真で見せてくださって居ました。赤い目だまが付いた白い糸みたいなきれいな腺毛がびっしりついて居ました。
それ以来ヘクソカズラの花がかわいいだけでなく、うれしい花になりました。

ヘクソカズラの花は ”人生いろいろ、名前もいろいろ、形だっていーろいろ♪” です。

花筒が、とても短くて太い花、すらりと伸びた花。でも上から見ると花筒の太い方が心持大きいけれど、長さほどは変わっていません。

短い花 長い花 比較

1mm の方眼紙に短い順に並べてみました。

花花花花花

蕾もいろいろ、花の色もいろいろ

細長い蕾、丸い蕾。いえいえ丸い蕾は[「ヘクソカズラツボミマルフシ」という虫こぶでハリオタマバエの仲間が作った物です。
花筒の赤が強いもの、普通に白いものもありました。

つぼみ 虫こぶ? 赤が強い花 赤が強い蕾

ヘクソカズラの葉には白い毛が生えています。芽が出たばかりのころは特に顕著です。対生の葉をつけるつる草にはいろいろありますが、葉と葉の間に托葉があるので区別できます。葉と葉の間の托葉なので「葉間托葉(ようかんたくよう)」と言います。
花の写真をクリックすると拡大します。中央部の腺毛が見えます。
秋の果実は日が当たると、美しく輝きます。

葉
托葉
葉間托葉
果実
果実
腺毛
腺毛
(2003.8.15)
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