2005年6月27日 家の近くの緑地を囲むフェンスに絡み付いているコイケマが咲き出しているのに気がつきました。 フェンスの上の方に咲いている花には、オオスズメバチ、クマバチなどが来ています。 小さいけれどヤツデの花のように集まって咲いている花序全体にしがみつくように止まって開いている花の蜜を吸っているのです。小さい花に大きな昆虫が訪れているのに驚きました。 左の画像のは開き始めた蕾、右はコイケマ特有の根元が深いハート型になった葉です。 |
![]() 開き始めた花 |
![]() 葉 |
1つずつの花はとても小さく、縦が5-6mm、一番太いところでも横幅は4mm程度です。
花冠は薄緑色をしています。(合弁花なので花びら全部を花冠と言います。) 下の画像、左側がまだ開かない蕾です。 右の画像が開花した花です。 満開になってもまるで半開き状態のため、うっかりすると全部蕾に見えてしまいますが昆虫達はよく知っているのに感心します。 |
![]() 固い蕾 | ![]() 開花した花 |
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花の構造を見るために手前の萼と花冠を取り除いてみました。花冠裂片と互生して白い花びら状の物が5枚あります。副花冠と呼ばれるものです。蜜はこの副花冠の根元にたまっています。 |
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これはさらに手前の副花冠を取り除いて見た様子です。
花の中央にある太い柱のような物は、蕊柱(ずいちゅう)と呼ばれている雄しべと雌しべが合体したもので, 双子葉植物ではガガイモの仲間だけに見られる構造です。 (単子葉植物ではラン科の花の雄しべと雌しべが蕊柱を作っています) |
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蕊柱を上から見てみました。茶色にとがった物が5方向に突き出していて、その根元にこげ茶色の物が2個見えています。 このこげ茶の物は捕捉体と呼ばれているものです。もともとは5箇所全部に1個ずつありましたが、昆虫によって運び出されたためこの花には2個しか残っていません。 上の画像にもこの捕捉体が見えますが分かるでしょうか? |
![]() 花粉塊 |
ガガイモ科の花の花粉は、他の花のように粉状ではなく塊になっています。花粉塊(かふんかい)と呼ばれています。たくさんの花粉がくっついている花粉塊は指でつぶそうとしてもつぶせないほどしっかりと塊になっています。
隣りあう2個の花粉塊をつないでいるのが捕捉体と呼ばれるもので、昆虫が1つ運び出すと花粉塊が2個一緒に運ばれる仕組みになっています。 |
(2005.7.12) |
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