ナンバンギセル(ハマウツボ科ナンバンギセル属)

ナンバンギセル ススキの根元にある日ひょっこり咲いているのに気づくナンバンギセル。
寄生植物なので緑の葉はありません。ススキ、ミョウガ、シラン・・・などに寄生するそうですが私はススキの根元で見るのが殆んど、シランに寄生しているのは一度しか見たことがありません。
花をそっと後ろに傾けて花の中を覗くとまぁるい大きな黄色の柱頭が見えます。オシベは何処にあるのでしょう?
失礼して花と蕾を1本ずつ頂いてきました。
花の先端は別れていますが筒状の花です。花の中には粘液が沢山入ってチョット触ると糸をひきます。一名「ヨダレクイ」とか。

雌しべと雄しべ 花を覗き込むと真ん中にある大きな黄色いボールが雌しべの柱頭です。雄しべは覗き込んでもよく分かりません。
雌しべと雄しべを見るために大きな萼と花の上部をどけてみました。雌しべは当然花の付け根にある大きな子房から伸びていたのですが、4本の雄しべは花の内壁から生えていました。

雌しべの下に雌しべの方を向いた4本の雄しべがあるのですが互いにくっついていて分かりにくいものでした。
次に雌しべをどけて、左右の2本ずつの組の雄しべに分けてみました。雌しべから見て左右から出ている2本の雄しべはそれぞれ形が違っていました。

上側の雄しべは、雌しべから見ると遠いところから生えてきています。下側の雄しべは雌しべの近くから生えていて花糸が曲がって下側に来ています。ややこしい生え方をしていました。
開花している花ではすべての雄しべの葯が開いて花粉を出していました。

下側の雄しべ
上と下のの雄しべ
上側の雄しべ
上側の雄しべ

蕾の時の雄しべ 蕾のときはどうなっているのでしょう? 今度は雌しべのある側を手前にして観察してみました。

雄しべの花糸に、小さな突起がありました。

左側の花糸
左側の雄しべの花糸
4個の硬い葯
4個の硬い葯

雌しべの花柱にも小さな突起がありました。
柱頭の表面には短い毛が一面に生えています。

花柱
花柱
柱頭
柱頭の毛

子房の中には小さな胚珠がいっぱい詰まっていました。

子房の中 子房の中

(2006.9.6)
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