ナツトウダイ(トウダイグサ科トウダイグサ属)

1月下旬、まだまだ冬という時期の雑木林の足元で、赤い芽を出していました。まるでエビみたい・・・
この赤い色素は「アントシアン」というものだそうです。生まれたての弱い体を紫外線から守るため赤くなって居ます。
3月に入るとと少し葉を広げ草らしくなりました。
芽 芽 芽
横浜市南部の金沢区には、黄色い花を咲かせるトウダイグサの仲間にはこのナツトウダイ、トウダイグサ、タカトウダイがあります。
ナツトウダイとトウダイグサは春に咲き、タカトウダイは少し遅れて初夏に咲きます。
春に咲くのに、どうして「ハルトウダイ」ではなく「ナツトウダイ」という名前が付いたのか、ちょっと不思議です。

3月下旬花が咲き始めました。
茎の一番上の葉が広がりその中央に花がつきます。良く見ると花の形に2種類あります。
中央に付く花は腺体が5個あって苞葉がありません。
周囲に付く花は苞葉で包まれていて腺体は4個です。

(1)
一番上に蕾が見える
(2)
一番上の花、まだ蕾
(3)
花、腺体は5個

(4)
苞葉の中の蕾
(5)
苞葉の中の花 
(2)
花、腺体は4個

花粉と蜜 満開の花は花粉を出していて、腺体から密が出ています。
トウダイグサの仲間は「杯状花序(はいじょうかじょ)」と呼ばれる形をしています。
周辺に腺体をつけたコップ状のものの中にあるのは、雌しべと雄しべではなくて、1つの雌花と複数の雄花です。
雌花にも雄花にも花弁はありません。雄しべだけの雄花。雌しべだけの花なのです。

雌花と雄花 コップを開いて中を見てみました。
雄しべみたいに見えるものの途中で色が変わっています。
画面で言うとやや赤みを帯びている右側が花で、その左側の白い部分が花柄です。

参考文献:「原色野草観察検索図鑑」 長田武正著 保育社

(2006.3.31)
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