ノコンギク(キク科シオン属)

 

私の住んでいる横浜市金沢区でよく見かける野菊はノコンギク、カントウヨメナ、シロヨメナです。シラヤマギクとリュウノウギクはやや少ない気がしています。
ノコンギクとカントウヨメナの違いは、冠毛の長さと言われているせいか花を見ると、1輪ちぎって舌状花を抜き去り、筒状花をむしって観察される方が多いようです。

でもそれはちょっと可愛そう。

ノコンギクはいくつもの花がかたまって付いている、カントウヨメナはわりとバラバラに付いている。それで見当をつけて葉をさわってみてざらざらしていたらノコンギクです。
花
ノコンギク
カントウヨメナ
カントウヨメナ
咲き始めてしばらく日にちが立つと果実ができ始めた花が混ざってきます。
その時期ならば一目瞭然。頬紅用の刷毛に似た、うっすら赤みを帯びた冠毛があればノコンギク。冠毛が全くなければカントウヨメナです。カントウヨメナはアップしても冠毛がないことが分かるように拡大画像です。
カントウヨメナ
カントウヨメナ
ノコンギク
ノコンギク

それでも、やっぱり冠毛を確かめたい。花を壊さないで見る方法は無いでしょうか?

・・・ありました!

 
花 蕾を横から見たところです。
ほぅら、ちゃんと冠毛がしっかり見えます。

 
花 蕾を上から見たところです。
筒状花の間にしっかり冠毛が見えています。

たくさん咲いている中から蕾を探せば一目瞭然。全部が満開状態でも筒状花の隙間を注目したり花を横から見れば冠毛は見えます。

そう、ルーペを持っていれば、もう、花をむしらなくても分かるのです。


集葯雄ずい

花糸 ルーペを使って眺めていたら、今まで分からなかったことがやっと分かりました。
本を読んでいると「集葯雄ずい(しゅうやくゆうずい)」という言葉が出てきます。私はこの意味を、雄しべが根元からずっとくっついて筒状になっていることだと思っていました。

でも違っていました。5本の雄しべはバラバラに生えていて、葯の部分だけが癒着して筒状になっていたのです。
落ち着いて考えてみたら文字通り「集葯」だったのです。花柱を取り巻いている葯の根元にはちゃんと別れている花糸があったのです。今まで分からなかったのは私だけでしょうか?

(2003.10.31)
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