センボンヤリ(キク科センボンヤリ属)

センボンヤリの閉鎖花

キク科のセンボンヤリは春に開放花をつけ秋に閉鎖花をつけます。
1つの株から何本も閉鎖花が伸びる様子を槍が何本も並んでいる様子にたとえて「千本槍」という名前がつきました。

開放花、閉鎖花という言葉は耳慣れないかもしれませんが、ふだん私達がきれいだなぁ、かわいいなぁと感じる花が開放花です。
それに対して閉鎖花というのは蕾のままの形で種子を作ることができます。

春の開放花

3月下旬蕾を伸ばしはじめ白い花を咲かせます。やがて花が終わりに近づくとピンク色に変わってきます。
センボンヤリの蕾 vspace=10 センボンヤリの花
花のアップ 赤く変わってきた花

開放花は周辺に舌状花、中央部に筒状花があります。舌状花は野菊の仲間と違って5枚の花弁のうち2枚は他の3枚に較べて短く切れ込みも深いので付け根についた小さなリボンのように見えます。
筒状花も5枚がきちんと合わさらず、1枚だけ、2枚だけ3枚だけ・・・合わさっているというように様々な形になっています。

舌状花 開放花の筒状花
開放花の筒状花 開放花の筒状花
開放花の筒状花 開放花の断面

秋の閉鎖花

8月下旬ころから少しずつ閉鎖花が目立つようになってきます。閉鎖花の中を覗くと、薄茶色の冠毛のなかに細い筒状花があります。非常に細いので私には花の中まで見ることはできませんでしたが顕微鏡で見た筒状花はこんな形をしていました。

閉鎖花の断面 閉鎖花の筒状花
閉鎖花の筒状花 閉鎖花の筒状花

(2009.10.6作成)
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