スミレの仲間の雄しべ

スミレ科の植物には、木本のものと草本のものがあるそうですが、日本に自生して居るものは草本だけです。
草本だけでも種類がとても多く、かわいらしい花なので園芸種も次々に作られています。雑種ができやすいので私にはとても難しい花で区別がつけられないものもたくさんあります。
私の住んでいる横浜市金沢区にも、スミレ、タチツボスミレ、、オトメスミレ、ツボスミレ、アリアケスミレ、コスミレ、アカネスミレ、ノジスミレ、ヒメスミレ、アメリカスミレサイシン・・・など様々な種類のものが生えています。
これらの花はみんな似ていて、花の後ろに距(きょ)と呼ばれる袋が付き出ています。
雌しべや雄しべは外からはよく見えませんが5本の雄しべが雌蕊を包み込んでだ形をしています。

スミレ(スミレ科スミレ属)

芭蕉の句に「やはり野におけ すみれぐさ」というのがありますが最近では車道沿いのアスファルトんの割れ目からも元気に咲いて居ます。邪魔な草がなくて日光をたくさん浴びられるので、こんな場所でも気に入っているのかもしれません。
花
街中
街中で
距
雄しべ
雄しべ
雄しべ
雄しべ
いかにも花粉の色をしている部分は、雄しべの付属体(ふぞくたい)と呼ばれるもので、本当の雄しべはその根元の白いところで花糸はありません。
雄しべをひとつ取り出してみました。雌しべ側から見たところです。
付属体の下に花の内側を向いて葯がひらいて花粉を出していました。

タチツボスミレも同じ構造

雌しべと雄しべ
雌しべと雄しべ
雄しべ
雄しべの先端
雄しべ
雄しべの内側

スミレの仲間はみんな似たような形をしています。蜜を吸いにきた虫が口をつっこむと「付属体」が開いて花粉をこぼし、虫にくっつけるそうです。

閉鎖花

閉鎖花
閉鎖花の内側
スミレの仲間は、春にかわいい花を咲かせすが、花期が過ぎると花を開かずに蕾からいきなり果実になります。これを閉鎖花(へいさか)と言います。 それに対し春の開く花は開放花と言います。
閉鎖花の雄しべは2本だけです。
スミレの仲間の種子にはエライオソームがついて居て、果実がはじけて飛び散った種子を蟻が運びます。
開放花の果実の先端には花柱が残って居ますが、閉鎖花の果実の先端にはごく短い花柱がちょこっとついて居るだけです。

(2004.4.9作成)
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