ユキヤナギ(バラ科シモツケ属)

明るい日差しに誘われてユキヤナギがちらほらと咲き始めました。小さな花を見ていると中央が黄色い花と、赤い花がありました。「なになに? どうして?」覗き込んでみました。

ユキヤナギ ユキヤナギ
白い5枚の花弁の内側に黄色いドーナツ状のものがあり、つぼみの時(1)はドーナツの外側から生えている20本の雄しべがくるりと内側へと丸まっていました。このドーナツ状のものは「腺」だそうです。蜜があるかとなめてみましたが私には甘さが感じられませんでした。中央の色の薄い丸いものは雌しべの先(柱頭)です。
やがて少しずつ雄しべが立ち上がり花粉を出してきます。雌しべの根元(子房)の色も少しずつ赤みを帯びてきます。(2→3→4)

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(4)はまだ花粉を出している雄しべもあり、柱頭も元気です。腺はまだ黄色です。
(6)になるとすべての雄しべは花粉を出し終わり柱頭も枯れ始めてきます。この時期になると黄色かった腺も白くなります。

花が成長するにつれ子房がどんどん伸びてきて赤が目立つようになります。そして受粉が終わると腺が白くなってきます。色が変わるのは、昆虫に来てほしくて目立たせるため、そして授粉が終わると地味になるのは昆虫たちに「こっちの花には来なくて良いよ」という印では無いでしょうか。

それぞれの状態の時を横から見るとこんな感じです。


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果実花弁が落ちてしまう頃には、子房はどんどん大きくなり、雄しべはしおれています。やがて果実(痩果)がこげ茶色に熟して一粒ずつに分かれて落下します。

(2004.3.5)

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