鳥仲間のグループ「ふれあい自然探鳥会」の今年の夏のイベントは「八甲田」でした。11日の夜に横浜からバスで出発しました。青森の天気予報は雨マークが続きです。途中のパーキングエリアにはムクドリのねぐらがありました。こんなに車の出入りがうるさくライトで照らされる所でも彼らにとっては安全な場所なのでしょう。それにしても呟いている(?)声はやかましいくらいです。親離れした若鳥たちが集まっているのかもしれません。秋のムクドリの集団の始まりという気がしました。 |
![]() | 雨具をつけて散策。ブナ林の中の静かな道でした。大小の池が点在しとても気分が良いところです。雨さえ降っていなければきっと鳥たちとたくさん出会えるのに・・・と、少し残念でした。ジャコウソウの薄いピンクの花がたくさん咲いていたり、ミズオトギリ、ドクゼリなど昨年の八幡平で見知った花も咲いていました。
このところ東北は雨続きだからか、それともブナの保水力のせいなのかキノコがあちこちに生えていました。 |
![]() | 大きな池の縁には木道がありました。生えて居る木が苦しくないように穴をあけてあります。その優しさに感激しました。数え切れないほどのアキアカネは人をおそれず帽子に何匹も止まり私たちを喜ばせてくれました。 |
朝から降ったりやんだりのあいにくのお天気でしたが、ロープウエイの駅に着いて登ることに決まりました。ここから赤倉岳→井戸岳→大岳→毛無岱→酢ヶ湯温泉の予定です。 登りの道はアオモリトドマツ(=オオシラビソ)の林から始まりました。大きな縦長の松ぼっくりは、まだ熟していないので緑色でした。足元には花はもう終わっていましたがゴゼンタチバナやマイヅルソウが沢山あります。途中に小さい湿原があったり、木道になったり歩きやすい楽しい道でした。 ヨツバシオガマの大型種で花が10段以上ついているものを「ハッコウダシオガマ」と言うと読んでいたので見かけたときは思わず声をあげてしまいました。礼文島のヨツバシオガマも大きくて「レブンシオガマ」と呼ばれていたのを思い出しました。 |
![]() | 赤倉岳に近づくと風がまともに当たる道になりました。帽子は飛ばされそうだし、ザックカバーもパタパタ鳴ります。崖際に生えているハイマツの所でうずくまってみました。しゃがみ込んだ私の胸までもない低いハイマツなのにしっかりと風をよけてくれます。それどころか足元を、やんわりとした暖かい空気が包み込んでくれます。高山植物達もこのようにハイマツに守って貰っているのだと実感しました。
井戸岳の頂上でイワブクロに出会いました。八甲田の山域ではここだけに生えているそうです。井戸岳から下る道の右側にもかなりの数のイワブクロが咲いていました。 |
それにしても風が強いこと。片足をあげるたびに体が振れます。道の両側に太いロープがあるけれど、掴まると雨にじっとりと濡れているので水が絞れるほどです。大岳避難小屋について休憩し、少し時間の遅い昼食にしました。 避難小屋は3階建てで2階と3階にあたるところに板の間の部屋があり、3階には窓ではなく入り口がついています。雪が降ると3階から出入りするようになるそうです。 |
雨がかなり降ってきて風も強まったので、大岳はあきらめて毛無岱をゆっくり歩くことになりました。メボソムシクイ、ルリビタキ、ウグイス。山でおなじみの鳥の声の中を下っていきました。
池塘の点在する広い草原です。草原が大好きな私はわくわくしてきました。夏の花は終わり秋の花にはまだ早いという時期でしたが、キンコウカ、ウメバチソウがあちこちに咲いていました。わずかに咲き残ったイワイチョウ。イワイチョウの基準産地(その植物の名前が付けられた元となる標本が採集された場所)はこの八甲田だそうです。 | ![]() |
東北地方はもう1週間以上も雨が続いているとか。奥入瀬の水も茶色く濁って渦巻いていました。お米は無事に育つことができるでしょうか。少し心配になる今年の天候です。 |
咲いていた花アカミノイヌツゲ、アキノキリンソウ、アブラススキ、アリドウシラン、イワイチョウ、イワオトギリ、イワガラミ、イワギキョウ、イワニガナ、イワブクロ、ウゴアザミ(?)、ウツボグサ、ウメバチソウ、エゾアジサイ、オクトリカブト、オニユリ、キツリフネ、キンコウカ、キンミズヒキ、コウリンタンポポ、コバノトンボソウ、ゴマナ、サワギキョウ、シシウド、ジャコウソウ、シロバナカモメヅル、ソバナ、ダイコンソウ、タチギボウシ、チングルマ、ツルアジサイ、ツルリンドウ、トウバナ、ドクゼリ、ヌスビトハギ、ノコギリソウ、ノブキ、ノリウツギ、ハエドクソウ、ハクサンボウフウ、ハッコウダシオガマ、ハナイカリ、ヒトツバヨモギ、ヒナノウスツボ、ヒメウメバチソウ、ヒメキンミズヒキ、ヒメシロネ、ヒメヒオウギズイセン、ホソバイワベンケイ、ホソバガンクビソウ、マルバキンコウカ、ミズオトギリ、ミズギク、ミズチドリ、ミゾソバ、ミヤマホツツジ、ヤブハギ、ヤマハハコ、ヨツバヒヨドリ |
果実が目立ったものアオモリトドマツ、アカモノ、イヌガヤ、ウワミズザクラ、エンレイソウ、オオウバユリ、オオカメノキ、クルマバソウ、ショウジョウバカマ、タケシマラン、チングルマ、ツクバネソウ、トチノキ、トチバニンジン、ナナカマド、ネバリノギラン、ベニバナイチゴ、ホオノキ、マイヅルソウ、マルバシモツケ、ミズバショウ、ミネカエデ、ミヤマキンバイ、ミヤマシキミ、ミヤマタニタデ、ミヤマハンノキ |
見聞きした鳥カワウ、アマサギ、ダイサギ、アオサギ、オシドリ、カルガモ、カワアイサ、トビ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、イワヒバリ、ルリビタキ、ウグイス、メボソムシクイ、センダイムシクイ、コサメビタキ、コガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、ウソ、イカル、スズメ、ムクドリ、ホシガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス |
(2002.8.16)