朝の船で利尻島を後にして、礼文島へ。 花を求めて歩きました。そこここに大きなセリ科の花がさいています。エゾニュウと教えて貰いましたが私はセリ科の花はなかなか区別がつきません。道ばたにはブタナ、コウリンタンポポなどの帰化植物が咲き誇りお花畑の様です。こんなに増えたら固有種に影響が出そうで心配になりますが、とてもきれいで見とれてしまいました。 |
北アルプスで見慣れたヨツバシオガマそっくりで背が高く花数が多い物はレブンシオガマだそうです。エゾカンゾウは終わりかけていて数が少ないのですが、チシマゲンゲがきれいでした。
雲が切れると暑いくらいの日差しなのですが、湿度が低いためか風がとてもさわやかです。 濃いブルーの日本海に浮かぶちいさな岩や船。海のむこうに利尻岳。そして足元に高山植物。 海と山の花を同時に見たのは初めてで、思わず深呼吸をしました。 |
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北岳で出会ったミヤマハナシノブを一回り小さくしたようなかわいい花はカラフトハナシノブ。ちらほらと咲いているレブンウスユキソウ。ヤナギランは蕾に色が付き始めています。
桃の実の形をした桃岩、猫に似た猫岩。元地灯台・・・やがて「知床へ」という標識が出てきてびっくり。 いくら方向音痴の私でも知床が北海道の西端の方にある、礼文島は北の方にある島というのは知っています。??? 海を渡らないと行けないはずなのに??? 北海道では海に突き出した陸地の最後を「知床」と呼ぶと聞いてやっと納得しました。それにしても高山植物の咲く草原や、利尻岳のような山にウミネコが飛び回っているというのも慣れるまでは、いちいちびっくりしてしまいました。 |
夕食後、海岸に出ました。この浜にはメノウがあるそうです。石なのかメノウなのかさっぱり分かりませんが足元にメノウが転がっているというのは、なんだか贅沢な気分です。そのうちにもっと贅沢な自然現象が始まりました。
夕焼けです!空の色は一刻一刻茜色に染まります。そして海も茜色に染まってきました。ウミネコたちが、ウミウたちが、三々五々ねぐらへ飛んでいきます。 東に見える利尻岳も、夕日を浴びて赤く染まっています。 道ばたにある古い小屋のガラスも赤く光って幻想的。 ・・・あぁ、しあわせ。 | ![]() |
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早朝、宿の近くを一人で散歩しました。5時前というのに漁師の方々は家族総出でもうお仕事です。昆布を干していらっしゃいます。お店で袋に入った昆布しか見たことが無い私は見とれてしまいました。「さわっても良いですか?」 なんと、長いこと! なんと重いこと!
手伝っても良いと言って下さいました。根元や裏表をそろえて重ならないように道路際の石ころの空き地に並べていきます。はじめの頃はすぐに裏表を間違えてしまいました(笑) 風が強いので並べ終わったところから漁網をかけていきます。足手まといにしかならなかったでしょうが一生に一度の経験が出来ました。”早起きは三文の得!” |
しかもその後で歩いた浜辺でハマベンケイソウの青い花に出会え、ハマハコベの茶色の種子が光るのを見ることができ、三文どころか十文の得になりました。 稚内で、登山ツアーの皆さんとお別れし、主人と私は稚内近辺の草原で遊び、翌8日の夜に楽しかった旅を終え、灼熱の横浜へ戻ってきました。 |
(2002.7.14) |