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1984年(五色が原)、1995年(剣岳)、1997年(五色が原〜薬師岳)と何回も近くを通ったのに登っていなかった立山。 鷲羽岳から見た姿に感動して改めて立山を目標に出かけました。台風が通り過ぎるのを待って出かけましたがやはり天候は不安定でした。 扇沢から入って「一ノ越山荘」に泊まり、立山ー大汝山ー別山と歩く予定でしたが雨模様だったので大汝山までのピストンにしてそのあとは室堂・弥陀ヶ原で花を楽しんできました。 扇沢からはトロリーバス、ケーブル電車、ロープウエイ、トロリーバスと乗り換えるだけで室堂に簡単につけます。簡単なため高度順応が難しい? 黒四ダムは観光放水をしている時期なので豪快に水が落ち、しぶきに虹ができていました。 |
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室堂の人ごみを抜けて一ノ越山荘へと向かいました。今年の冬が寒かったせいかここでも登山道に雪が残っていました。簡単な装備で来ている方も多いのでキャァキャァにぎやかな声が上がります。立山神社で頂いてきた大きな鈴の付いたお札を荷物につけて下ってくる方たちと行き交いました。 それにしても昨日までは30度を超える猛暑の中に居て、今日は14度のお花畑に居るというのは不思議な気がします。 一ノ越山荘に着いたのは3時半頃。荷物を置いて付近を散策しました。 雷殿方向への坂道を下ると今まで無かったトウヤクリンドウ、クルマユリ、ハクサンフウロなどが急に増えてきました。チョット離れただけで花の種類が変わっ楽しいです。 |
二日目は朝から雨、今日は一日中晴れそうもありません。尾根からの展望は望めないので雄山までピストンして室堂に下りることにしました。雨がやんでから雨具と水筒だけもって雄山への石だらけの道をたどります。頂上付近にたどりつくと神社の人が出てこられました。参拝することにし赤い鳥居をくぐりました。 雄山神社は小さな祠です。頂上に河原の石を沢山の方が奉納されて神社を祀られたそうです。石には薄れた墨で文字が残っているものもありました。その上に座って神主さんの祝詞をうかがいお祓いをしていただきました。なんとなく心や体の中がすっきりして不思議な気分を味わいました。お神酒を頂いて記念撮影もしました。 頂いたお札には大きな鈴が付いていて鳥の声を聞きたい私たちはハンカチで大事にくるんでリュックの中へ。岩の道を通って大汝山まで往復です。大汝山は岩が積み重なったような山でした。30人くらいの外国の団体さんが来ておられました。実に元気で楽しそうです。その御一行が行き過ぎるのを待って私たちも頂上へ登りました。 |
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一ノ越山荘をあとにして室堂へもどりました。日本最古の山小屋が室堂山荘のすぐ隣に残されていました。広場では中学生の団体が楽しげにお弁当。我々も昼食にしました。 いままでは通過地点だった室堂をゆっくり歩き、一つ一つの花にご挨拶するようにじっくり楽しみました。太郎平小屋付近でたった数輪しか見たことが無かった白いタテヤマリンドウが一面に咲いていて思わず歓声を上げたり、ミヤマオトコヨモギとタカネヨモギの花の顔が違うのに気付いたり。今までは漫然と見過ごしてきていたヤマハハコが今更ながら美しいのに気付いたり大満足です。 今夜の宿は雷鳥沢ヒュッテ。個室だったし温泉まであって気持ち良かった! |
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三日目。地獄谷と呼ばれる噴煙と熱い温泉が湧き出している、硫黄の臭いで息苦しいほどの道を通りみくりが池へ付いたときはほっとしました。 昨日と違うコースを歩いてバスターミナルへ。美味しい水を水筒につめて天狗平から弥陀ヶ原への道を進みました。 このコースは急に人の数が減ります。2日間で顔なじみになった花たちを眺めながらゆっくり草原の道をたどり、さわやかな風を楽しみました。 天狗平に来るとゴマナ、キオン、オタカラコウなど丈の高い花が目立ちます。ここからは草原と潅木の林が交互に現れる静かな木道が続きました。剣岳が見えたときは思わず一休み。 |
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弥陀ヶ原が近づくにつれ時折小さな池が点在する場所がありました。ヒメホタルイが水の中に生え「ガキ田」と呼ばれているようです。幼い子が田植えしたように不揃いだから? 地獄谷などに追いやられた餓鬼が飢えに苦しんで田植えをしたが収穫できなかったなどの説明がありました。 「こんなに気持ち良い道なのに人が少なくてもったいないわね」等と話し合いながら歩を進めると、雷と雨。樹林帯めざして早歩き。傘をさして進むうちに鎖場に出ました。足元はけっこうしっかりとした岩で階段状に段差がつけられています。所どころ道幅が狭くなっていますが他の山の鎖場に較べると安心です。途中で行き会った方にまだまだ続くと伺って雨具を着用することにしました。そうか、この場所があるから歩く方が少ないのだと納得。 |
弥陀ヶ原に来ると花はもう終わってしまったのか数が減りましたが見慣れないトンボが飛んでいました。看板にカオジロトンボ、ルリボシヤンマ、オオルリボシヤンマ、カラカネトンボなどの名がありましたが分かったのはカオジロトンボだけ。大きなヤンマが飛んでいたのがオオルリボシヤンマかなぁ? 四日目。松雄峠への道をたどりました。木道が続きよく整備された道でしたが、草刈された草が木道の上を被っていて霧が多く時々小雨のぱらつく今日は滑りやすいです。大きなものはどかしていましたがキリが無いので諦めました。花は相変わらず少なく鳥も想像していたほどは現れなかったけれど、キベリタテハに出会えました。私にとっては初対面の蝶です。 室堂近辺は便利なだけに団体さんが多いなぁと実感しました。私たちも年をとってもここなら高山植物を楽しめる。老後の楽しみがまた一つ確保された気分がしました。それにしても高山植物を保護するために遊歩道の整備、遊歩道脇のロープ、あるいは木道とお金も人手もかかった道がずっと続いていました。多くの人が楽しめるようにと大変な努力がされています。感動的ではありましたが、何もしないでも守れるようになったらもっともっと素晴らしいだろうと思いました。 |
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